自宅のベッドで最期を過ごしたい! 病気があっても家で暮らしたい!在宅療養・介護のはなし

介護保険制度を利用し病気を抱えながらもご自宅で生活されている方も多くなっています。「最期は自宅のベッドで愛する人に囲まれながら逝きたい」をどうやったら実現できるか、ケアマネージャーとして訪問看護師として考えていきます。

【訪問看護】私の訪問看護の出会い。この人と一緒に仕事してみたい!という好奇心から。

今回は、私が訪問看護の世界に飛び込んだきっかけを紹介します。

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

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訪問看護への興味、病院勤務…そして子育て。

 

私が訪問看護に興味を持ったのは
訪問看護ステーションは看護師の資格があれば、自分で開業できるからです。
学生の時にその話を聞いて、
経験を積んで、いつか自分の訪問看護ステーションを作ろうと思っていました(笑)

 

実際に看護師になり、病院での勤務ではそんなことは忘れて、とにかくバタバタと毎日が過ぎました。必死に仕事をしていたという感覚でした。

 

その後、結婚、出産 で看護の現場を離れました。同期がどんどん頑張っている中、社会と切り離されてるようで、ただ懸命に子育て子守をする自分が歯がゆくもっと頑張りたい、社会に出たい、仕事をしたいと常々思っていました。

 

3番目の子供は生まれつきの障害がありましたから、ますます仕事の復帰は難しくなりました。さまざま病院へ毎週通い、療育施設にもたくさん通いました。

4歳、2歳、1歳の子供たちを抱え片道1時間以上のかけて通院…

この大変な経験は、患者の気持ち、とりわけ病気を持つ子供の親としての思いを身をもって体験し、看護師としてまた、人としての深みを得られた貴重な経験を今もさせてもらってます。

 

 

潜在看護師のための 訪問看護リカレント研修

 

  3番目の子が幼稚園に通えるようになったある日、タウン誌の広告で訪問看護の研修を見つけました。研修は全5日、朝から夕方までの本格的なものでした。この研修は、熊本県の事業で5000円で5日間参加できました。

私は自分が以前思っていた、訪問看護ステーションで起業するという目標を思い出し、それに、ケアマネージャーの資格を取りたいと漠然と思っていたのでこれはチャンスだと、すぐ応募することにしました。

子供達のお迎えなど旦那が都合をつけてくれ、無事に参加することができました。

 

この研修は、今までただの主婦だった私にとって、どの話を聞いてもとても楽しかったし、再び仕事がしたい気持ちがどんどん湧いてきました。

 

 

研修内容は

 

1日目

最近の医療の動向を知り看護職の役割を考える

訪問看護制度/在宅医療における訪問看護とチームケア

 

2日目

介護保険制度とケアマネジメントの基本的な考え方

コミュニケーション技法の基本

在宅看護の代表疾患の理解

 

3日目

フィジカルアセスメント技法

がん患者のケア 疼痛緩和ケアの基礎知識等

 

4日目

訪問看護における医師との協働

ベッドサイド リハ/呼吸器リハビリの 基本/吸引/手洗い/ 経管栄養・胃瘻ケア/口腔ケアの実際/フットケア

 

5日目

認知症ケア

ライフワークバランスを考える

訪問看護とのディスカッション 訪問看護の実際

 

かなり濃い内容、しかも訪問看護ステーションに入職してすぐに役立つ視点での講義でした。

 

 

この講義の「訪問看護における医師との協働」を担当していた、ある訪問看護ステーションの管理者さん(看護師)の話した内容や、日々の訪問看護のやりとりがとても素敵だと思い、目を輝かせました。講師の方は私と同じ系列の看護学校の卒業ということで親近感を持ちました。医師との連携の難しさと、こんな良い関わりができた、悔しいことがあったという経験談、何よりも患者さんを一番に考えて真剣に向かい合っている現場が伝わってきました。

 

「こんな素敵な人と、一緒に仕事がしたい」

 

一気にそんな気持ちになりました。

 

5日目の最後に、実際の訪問看護ステーションの方とディスカッションする機会があり、最後に勇気を出して話をしてみました。

訪問看護やってみたいんですが…障害のある子どもがいて、半日しか働けないです。」というと、すぐに「大丈夫。どんな条件でも働けるから。おいで。一回見学にでもきてみて」と、とっても素敵な笑顔で名刺をいただきました。

 

この出会いがきっかけで、その訪問看護ステーションに入職することになったのでした。

週に2回9:30〜12:30までという短時間の条件でも喜んで入職させてもらいました。その後は徐々に時間を伸ばし常勤になりました。

 

そして、今も、

私は楽しく訪問看護の現場にいさせてもらってます。

 

「こんな、素敵な人と仕事がしてみたい」

 

この感覚って大事だと思います。

みなさんも、入職するとき、就職を考えるときの指標にしてみるといいかもしれませんね。

 

 

~どうか介護、在宅療養のことで悩まないで~

介護のこと、自宅療養のこと、病院の看護師さんとの関わりで困ったこと、悩んでいること・・・反対に嬉しかったことお聞かせください。

私で答えられることは何でもお返事したいと思います。コメントお待ちしています。

【体験談】訪問看護で緊急で訪問したときの話。「お母さん、私の誕生日にやめて。死なないで。」

【体験談】

 

訪問看護も4年目になりました。まだまだですが、日々、患者さんと向き合っています。

今回は、日中ですが、緊急に訪問したときの体験談をお話しします。

 

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

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「お母さん、私の誕生日にやめて、死なないで」

89歳の認知症のお母さん

 この患者さんは、89歳のおばあさんで娘さんと二人暮らしをしていました。娘さんは夫と離婚し、子供はみんな独立していました。小さな団地にお住まいでした。

 

 認知症が進み、徐々に日常生活動作もままならなくなり、動くことが少ないため、筋力も低下し車椅子の生活でした。家では小さな部屋でしたので、布団に寝ており、支えなくても座ることができる状態でした。要介護4でした。

近くのデイサービスに週に4回ほど通っていました。娘さんは夜勤もある老人ホームの介護スタッフをされていまいた。

 

 娘さんはとてもお母さん思いで、おそらく娘の名前もわからなく、オムツを自分で取ってしまい布団を汚したり、便を触ってしまうようなことがあっても、いつも笑顔で「本当にしょうがないのよ、お母さん。いい加減にしてちょうだい。」とお母さんをツッコミを入れるように軽く小突いていました。それでいて、食事量が少なくないか、水分は十分摂れているか、円背があり、背中に褥瘡(床ずれ)の傷をいつも心配していました。優しい娘さんです。

 

夜勤の時はそれでも、最終21:00にヘルパーさんがオムツを交換し、就寝のためのイブニングケアをして(入れ歯を外したり、着替えや顔を拭いたり)それ以降夜間は一人で過ごしていました。時々はショートステイを利用しての介護でした。もしも娘さんがいない時に家で亡くなっていても仕方ないという思いでした。自宅での最期も意識していました。

また、何かあっても長年、介護もしてきたし、最期は何もしないで(延命治療は望まない)そのまま自宅で看取ってもいいというお考えでした。

 

普段の訪問看護

 週に1回の訪問看護をご利用でした。主に、背中にできている褥瘡の傷の処置をしたり、着替えや清拭(体拭き)着替え、爪切り、手浴(便を触ってしまうことが多く、よく手が汚れています笑)娘さんへの介護指導などを行なっていました。

最近、あまり食べられずに痰が絡むようなことがあるということはわかっていました。

 

緊急での訪問

それまで、緊急で呼ばれることはなく、過ごしておりました。
その日はデイサービスで過ごしていましたが、痰が絡むことが多く、あまり元気がないので、一旦家に帰って訪問看護に診てもらおうということで、デイサービスから連絡ありました。

 

私が到着するとちょうどデイサービスから戻ってきたばかりでした。

様子を聞いて、すぐにバイタルサインを測ります。

SpO2は92%(体に酸素がどのくらい届いているか呼吸の指標になる。通常は95%以上)胸の音は痰が広範囲にあることがわかりました。

 

自分で咳をして出すように促してたり、ティッシュで出すように促しますが、なかなかうまくいきません。肺を圧迫しながら痰を出すように助けますが、あまり効果がありませんでした。

吸引器を持って訪問すればよかったのですが、
訪問看護ステーションの機材にも限りがあり、その時は3台ある吸引機は全部出払っており、持ってくることができませんでした。

 

おそらく昼食を誤嚥(飲み込む力が弱くて、間違って気管の方に入ってしまうこと。特に高齢者に多い)していて肺炎になりかけていると思いました。

すぐさま、訪問診療の医師に連絡を取り、指示を仰ぎます。

 

その時、娘さんも急遽、仕事を早退して帰ってきました。

 

医師は、今すぐにはいけないので、本来言われていたように、そのまま様子を見て自宅で看取るか、それが難しいなら、救急車で病院へ入院させるかということでした。

 

帰ってきた娘さんはとても慌てていました。最近、飲み込みが良くないことはわかっていました。痰はぬぐえどもどんどん出ている状態です。
呼吸も苦しそうになり、SpO2も88%と低下しています。

 

私は、娘さんに医師の判断を伝えながら、これからどうするかを考えてもらいました。とても辛い決断です。

 

N:「今までおっしゃっていた通り、急ですが、このまま亡くなることもあると思います。」

 

「でも、今まで覚悟していて話してきたことです。このまま家にいますか?」

 

「医師はすぐに来れないので、救急車に乗って病院へ行くかどちらかです。」

 

娘さんはとても、目の前で苦しそうに痰が絡んだ状態の母親をみて、気も動転しています。いくら今まで望んでいたことでも、実際を目の当たりにして決心が揺らぐのは当然です。

 

その状態で、ご本人の痰はどんどん絡んだようになり、顔色が悪く感じました。

 

  急がなくては!!

 

N:「悩んでいる間に、今のままでは厳しいかもしれません…」

 

娘:「病院へ行きます。やだ、今日私の誕生日なのよ。お母さん死なないで。」

 

 

 

救急車をすぐに呼び、病院へ搬送しました。

 

 

このまま、家にいる選択をすること

覚悟することは本当に難しく、特に、家族が自分一人の時ならなおさら、決め切ることはできないと思いました。

 

そんな時に普段関わっている看護師の判断やアドバイス、何気ない言葉で

家族にとって最適な選択ができるようにすることも、

またかなりのスキルが必要だと感じました。

 

今回、私は、娘さんの「死なないで」という一言が、

 

ここで、今まで望んでいたことだからと自宅で看取りにすることで、今までの長年の介護の苦労やそれ以前の生活の思い出などが、よかった経験として受け入れることができないかもしれないと思ったので、病院への搬送を選びました。

 

吸引機がなかったことで、これ以上何もできない状態と医師も来られない状況での判断でした。

 

 

 

 

入院は2週間ほどでしたが、無事に誤嚥性肺炎の治療をして退院することができましたので、また、二人の生活が日常に戻ることができたました。

 

 

 

 

まとめ

 このように、訪問看護では厳しい判断をしなくてはならない時があります。

 

自分も慌てていたと思います。どうして吸引器を持ってきていないのかと自分を責めました。吸引器があれば、もう少し悩む時間を持てたと思いました。(気道が確保でき、状態が少しでも改善できると思った)
娘さんの思いは普段から十分に聞いていましたので、在宅で最期を過ごすことを望んでいましたし、延命は希望していませんでした。しかし、実際は揺れるし、悩むし、決心できないものです。
 そんな時に「私の誕生日なのよ、死なないで」娘さんの素直な気持ちを聞いて、今、ここで最期を過ごすことになってしまったら、一生、娘さんは後悔してしまうかもしれないと思いました。あんなにも大変でも一生懸命介護してきた母です。死なすわけにはいきませんでした。

 

 時に楽しく、ほのぼのした気分にもなる訪問看護ですが、こういった命の選択の場面にも立ち会うことや厳しい場面があります。しかしどちらも信頼関係があってこその決断、時間だと思いました。

 

【介護保険サービス ヘルパー】訪問介護(ホームヘルパー)には身体介護と生活介護と2種類があります。

前回、訪問介護のケアプランの立て方、考え方を紹介しました。
自立を支援することが介護保険ではマストです。
まだ読んでない方はこちらをどうぞ。

 

ienikaerou.hatenablog.com

 
病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

 

今回は、ヘルパーさんのサービス内容を確認していきたいと思います。

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ヘルパーさんには生活支援と身体介護の2種類があります。

 

生活支援とは・・・家事を行います。ご飯を作ったり、部屋を掃除したり、洗濯物を干してたたむ、買い物など、その方の生活に必要な家事を行います。

 

身体介護とは・・・ご飯を食べるのを手伝う。トイレの介助、お風呂に入る時に見守ったり、髪を洗ったり、体を洗うのを手伝ったり、着替えを手伝う、オムツを交換する、車椅子に乗るために介助するなど、その方の体に直接触れて手伝うのが身体介護になります。

 

 この中でも、ちょっと特殊なところがあります。

 

 身体介護の中に「特段の専門的配慮をもって行う調理」というのがあります。調理なので、生活援助になると思われますが、実は身体介護に位置づけられています。

 

糖尿病の方に作るカロリー制限のある食事や、

腎臓病の方に作るタンパク質の量や塩分、カリウムの少ない食事を作ることや、

飲み込む力が落ちたり、噛むことがでいない人に対しての流動食など

を調理することが含まれます。

 

他にも自立を支援するための見守りを行うことは体に直接触れませんが、身体介護になります。

 

医療行為との区別も明確に。

 

平成17年度にはっきりと、ヘルパーさんができる医療行為に近い援助も明確にされました。

 

体温や血圧を測ったり、(デジタルの血圧計で)

ちょっとした、切り傷や擦過傷に絆創膏を貼ったり、

軟膏を塗ったり、

一包化した内服薬を飲ませる、

点眼や点耳、点鼻薬、座薬を入れる

歯磨きを手伝う

爪切り、耳かき(綿棒での清拭も)

市販の浣腸もできます。

 

このような行為は身体介護で行うことができます。

 

生活援助で気をつけたいこと

家事を手伝ってくれますので、一見、何でも頼んでいいように思いますが、少し決まりがあります。

 

ご本人の・・・

生活のスペースしか掃除できない。(本人が使うならトイレもお風呂も台所も OK)

本人の食べる分しか調理できない。

本人の洗濯物しか洗濯できない。

本人の布団しか干せない。

 

これってちょっと、もう少し融通を利かせて、家族の分もやってほしいと思ってしまいます。

介護で疲れているのだから自分たちの負担も減らしてほしい、そう家族は思ってしまいますね。

 

介護のための仕事を離職するということが社会的にも問題になっていますし、介護しながら仕事が続けられる、家事の負担が減るというのは大事です。

 

混合介護というサービスが、試験的に豊島区で2018年から始まる予定です。

mainichi.jp

 

これは介護保険サービスとしてのヘルパーを利用し、そのヘルパーさんがそのほかの家事を有料で続けて行えるというものです。

 

こういった、保険外サービスと従来の介護保険サービスを組み合わせて行う事業所は今後どんどん増えてくると思われますね。厚生省もすすめています。

 

 

他にも、日常生活を送るのに、ヘルパーさんがしなくても問題ない、草刈りや植木の手入れ、ペットの散歩などの世話もすることができません。

年末の大掃除や床のワックスがけ、家具の移動や窓拭きなどもできませんし、お正月や誕生日パーティーなど特別な手間をかける調理も禁止です。

 

 

 それから、生活支援(家事)は 同居者が行うことができるときは利用できないことになっています。

 

しかし、例えば、老夫婦で、重たる介護者の妻も認知症があったり、病気を持っていて動くことがしんどい場合など、また、家族はいるが、日中は一人で過ごしてる方などはちゃんと利用することができます。

 

 

気になる…料金

 

身体介護と生活支援で料金が違います。

 

23区のとある区では生活援助は20分〜45分未満で209円、45分以上257円です。(1割負担の場合です)

 

通院のための介護タクシーの乗車、降車介助では1回100円です。(タクシーの利用料金は別途かかります。)

 

身体介護は20〜30分で280円 30分〜1時間未満で443円となっています。(1割負担の場合です)

 

 値段の違いはありますが、家事や身の回りのことは生活の基本ですので、上手に利用したいですね。

 

まとめ

・ヘルパーには生活援助と身体介護の2種類があります。

・特別な調理は身体介護に含まれます。

介護保険サービスでは基本的に本人のためにしか家事を行いません。

・今後、混合介護などの保険外サービスを組み合わせたサービスができてくるでしょう。

・同居者がいるの場合は、理由がないと生活援助のサービスを利用できません。

 

 

 

 

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【在宅療養】『自宅で自分らしく死ねる。そういう世の中を作る。』こんな思いの診療所のオープンカレッジがあります。

今日はある診療所の取り組みをほんの少しだけ紹介させてください。

 

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

 

 

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板橋区にある「やまと診療所」をご存知でしょうか?

 

 

ここの診療所は

自宅で自分らしく死ねる。
そういう世の中をつくる。

という壮大な理念を掲げています。

 

 

 

板橋区を中心に在宅での看取りの最前線を担っている診療所です。カンブリア宮殿などにも取り上げられています。

 

この診療所の画期的なサービス、医療人があります。

それがPA(診療アシスタント)と呼ばれる方々です。患者さんに近い存在で診療をサポートしています。

 

 

 

PAは米国では医師の監督のもと医療行為を行うことができる国家資格です。これを参考にやまと診療所では在宅医療PAを「在宅医療の効率化を行い、地域の誰よりも患者の自分らしい生き方を支援できる存在」です。

 

やまとの人材育成プログラムでは、各段階でOJT,OFF-JTでのトレーニングがあり、ステップアップには試験に合格することが必要です。ステップアップすることで、より患者様にしっかりと関わる仕事を任せられるようになります。待遇も向上します。人によってステップアップにかかる時間は異なります。

(ホームページより抜粋)

 

 

 

2017年4月よりオープンカレッジが始まり、やまと診療所のノウハウを学ぶことができます。なんてすごいのでしょう!!

 

 

www.yamato-college.org

 

 

とても興味があるので、私もセミナーを受けたいと思います。

しっかりと患者さんと向き合う、共感する、思いを汲み取る、代弁する・・・。
私たちに求められていることは自分の人間性までもを見つめる仕事なのかもしれません。

 

 

そこでの学びもまたレポートしていきたいです。

 

 

 

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【勉強会レポート②】緩和ケア勉強会〜患者サポートセンターにおける支援の実際〜

前回に引き続き、基幹病院での緩和ケア勉強会での学びをレポートしようと思います。前回は退院支援の3段階プロセスを紹介しました。

 

ienikaerou.hatenablog.com

 これを踏まえて、実際の事例を取りげます。

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

私の感じた学びを紹介します。

 

 

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事例検討

がん患者さんの死に至るまでの経過

死に至るまでの経過を簡単に説明します。

 

認知症や老衰の場合長期間わたり徐々に機能低下していくため経過が緩やかな特徴があります。

 

心臓や腎臓、肺などの慢性疾患の経過は徐々に低下するのとともに時々、風邪にかかるなどをきっかけに、急激に病状が悪化して死を意識することも経験しながら経過をたどります。

 

がん患者さん死亡の数週間前までは機能は保たれており、病状は悪化してきていますが、日常生活の自分のことは自分でできる状態から、急速に機能低下していく特徴があります。

 

ですので、がん患者さんは本人、家族は機能が低下して、介護が必要になることのイメージをなかなか持てず、支援を受け入れられない現状があります。

 

 

事例  脳梗塞後の胃がんの患者さん

60代の男性、脳梗塞の後遺症で右半身麻痺があり、要介護2の認定を持っていたサービスはベッドなどの福祉用具以外は利用していなかった。仕事を生きがいとして、右半身麻痺はあったが続けてこられていた。今回胃がんを患い、手術、その後、抗がん剤治療を行ってきた。副作用により食べることができず、胃に直接流動食を入れられる胃ろうを造った。家族は同居している妻、独立している娘がいた。

 

今回の事例では、
一貫して、ご本人、家族とも家に帰りたいという希望があった。これは仕事を続けたい思いがあり、抗がん剤での治療費の心配があったのかもしれません。

 

胃ろうを造った時点で退院して、管理や方法を見てもらうために訪問看護ステーションが入っていた。その後自分たちで胃ろうの管理ができるようになったので訪問看護は終了となった。

 

・1回目の入院では骨転移により痛みが出てきており、入院となった。訪問看護の必要性を医師から説明され、再び同じステーションへ訪問看護を依頼した。

 

・2回目の入院では、骨転移での痛みが増強し、我慢できず入院となった。医師から訪問診療を入れることを勧めたが、動けなくなったら入院したい思いがあった。訪問看護の継続。訪問診療の話もあったが、家族や本人は病院への通院を希望した。

 

・3回目の入院では再び痛みが我慢できず、今回は訪問診療を使って家でも痛みのコントロールができるように勧めた。しかし、妻は訪問診療を自ら断ってしまった。

 

 

その度に必要性を説明し、情報を提供していたが、うまくいかなかった事例として紹介していました。

 

 

「どんなに言葉を尽くしても・・・」

 

患者さんの、家族の思いは

『最後まで治療をしたい。まだ動けるのにどうして訪問診療を勧められるのかわからない。』

 

医療者の思いは、

『(積極的な治療は難しい)近い未来、病院へ来ることが難しくなることがわかるから、家で安定して過ごしていけるように、痛みをが我慢して過ごすことがなように痛み止めの調整をしてほしい。 』

 

 

色々な情報を示したり、話し合いの時間を設けたが、双方の思いは重なりませんでした・・・

 

 

 

私が感じた学んだ まとめ

 

  この方は訪問看護ステーションが退院後から関わっていたにもかかわらず、痛みが我慢できなくて入院となっています。しかも2回ともです。

 

 

疑問???

 訪問看護は何をみていたの?

 

 

本人が最後まで治療を続けたい思いがあり、この基幹病院への通院を希望しています。

 

ですので、訪問看護は基幹病院の主治医と密に連絡を取り、
痛みのコントロールを自宅でできる限りすることが必要だと思いました。

 

痛みの評価を毎回の訪問で行えていたのか。

痛いと正直に言える人間関係が築けていたのか。

 

 

医療者として、人と人の関わりをおろそかにしては、本当に目の前の患者さんを救うことをはできないと思います。

 

やはり、人間関係がとても大切だと思いました。

本当にその患者さんの家族のニーズに応えてられているか考えるのが大事ですね。

 

 

私はきちんと患者さんと向き合えているのか、本当の思いを聞いているのか、心を許してくれているのか・・・

自問しながら、今日も訪問看護の現場に全力です!!

 

 

 

 

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【勉強会レポート】緩和ケア勉強会、患者サポートセンターでの支援の実際を通して退院してくるときの支援は3段階に分かれています。

【在宅療養】

 

私が勤めている訪問看護ステーション近辺の病院や居宅介護支援事業所(ケアマネージャーさんの事務所)では勉強会を盛んに行っています。

 

今回は基幹病院の緩和ケア勉強会での学びのレポートをお伝えします。今回のテーマは〜患者サポートセンターにおける支援の実際〜です。

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

 

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緩和ケア勉強会①

今回の勉強会は〜患者サポートセンターにおける支援の実際〜のテーマで行われました。

 参加は病院の医師、看護師を中心に、ソーシャルワーカーさんや薬剤師さん、地域の訪問看護ステーション、ケアマネージャーさんが参加されていました。

早速内容をレポートし、私なりの解釈、説明を加え、わかりやすくお伝えしようと思います。

 

現在、ほとんどの病院には「地域連携室」「退院調整看護師」「医療相談室」などという部署があります。ないところは、以前は外来看護師が行なっていたという経緯もあり外来で兼務されているところもあります。

 

病院での退院支援の3段階プロセス

①ステップ(外来〜入院時48時間以内)

病棟看護師の役割として、退院を見据えた支援が必要かどうかスクリーニングをし、アセスメント(根拠のある判断)を行う。

 

②ステップ(入院3日目〜退院まで)

病棟看護師と退院調整看護師の双方の役割として、患者の受容支援と自立支援として病気の治療とともに退院後の生活のイメージを患者と家族と相談していく。

 

③ステップ(必要となった時点〜退院まで)

退院調整看護師の役割として、退院が可能となるための介護保険などのサービスの検討、調整を行う。

 

このように退院支援のプロセスは3段階に分かれています。

 

入院してきた時点でその方が退院するためにはどんな状態(病気の状態に加え、身体機能がどうか、精神状態はどうかなど)であれば、退院し在宅生活が可能かどうかをかなり早い時点で考える必要があるということですね。

 

入院してきた時点で生活歴などを話したりアンケートで答えたりすると思います。その時に家の状態(バリアフリーなのか、ベッドで寝ているのか布団なのか、2階なのか、エレベーターはあるか、近所で買い物ができるかなど)などの情報も集めておくことが必要です。

 

 また、②のステップでは病棟看護師とともに退院調整看護師も関わっていく必要があります。ここでいう退院調整看護師とは、先ほど述べた「地域連携室」「退院調整看護師」「医療相談室」の看護師やケースワーカーを指しています。

 

 入院した時点で、退院をイメージしてどんなふうにしたらいいかをケアプランを病棟看護師は立てる必要があります。

もし、すでにケアマネージャーさんがいて介護保険を利用しているような方は、ケアマネージャーさんからも情報提供があると思いますが、入院した時点で病棟看護師に現在、介護保険サービスを利用していて、〇〇さんというケアマネージャーさんが担当していることを病棟看護師さんにお伝えしておくといいと思います。

 

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 私が病棟で働いていた時は、在宅療養がどんなものか、退院するとはいうものの、障害を抱えてどうやって暮らしていくのか、日中に世話をしてくれる人がいるか、車椅子を自宅で使うスペースがあるかなどはっきりいってよく理解できていなかったと思います。

まして、ポートによる在宅中心静脈栄養など医療器械を使用するような患者さんを、どうやって家族の力でみていくのかいつも不安でした。

 

しかし、現在は訪問看護をしているので、ご自宅での療養生活がイメージできます。患者さんの身体能力を評価し自宅で過ごすための手段やサポート(介護保険サービスや公的サービスなど)を考えることができるようになりました。

日本看護協会出版会が出している「看護につながる在宅療養移行支援」の中では、急性期医療現場の医療従事者たちが…在宅療養へ移行するのに最も重要なことは地域居住の継続であり、そのためには介護保険制度を理解する必要がある。とはっきり述べています。

 では、どうやって介護保険を学べばいいか、最も早道は介護支援専門員(ケアマネージャー)試験への挑戦と書かれていました。(笑)

ちょっと、これは病棟でフルに働きながらでは結構大変ですね。

 

私も平成27年度に取得していますが実は相当苦労しています。その時の合格率は全体で19.2%ですので、難関な資格です。(涙)

 

挑戦する方、どうかがんばってくださいね。応援しています。

もし、試験を受けるつもりがないのであれば、少しずつでも介護保険を理解するために学んで欲しいです。このブログもお役に立てると幸いです。

 

では。

 

~どうか介護、自宅療養のことで悩まないで~

介護のこと、自宅療養のこと、病院の看護師さんとの関わりで困ったこと・・・私で答えられることは何でもお返事したいと思います。コメントお待ちしています。

 

 

 

 

 

 

【認知症】認知症サポーターになろう。正しい知識と理解があなたの生活もお隣さんのおじいさんおばあさんの生活を支えます。

認知症サポーター】

 

みなさんは「認知症サポーター」「オレンジリング」というものをご存知でしょうか?

 

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

 

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認知症サポーターとは

全国に認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けをする「認知症サポーター」を養成し、認知症高齢者等に優しい地域づくりに取り組んでいます。

 

www.caravanmate.com

 

 これは厚生労働省もすすめているもので、今後、高齢化社会を支えるケアの仕組み、『地域包括ケアシステム』というものを推しすすめています。

住み慣れた地域で病気や介護が必要になっても暮らしていくことを目標とし、地域の病院、訪問看護ステーション、ケアマネージャー、介護サービス事業所、ボランティア、近所の人々を一緒に巻き込んでみんなで、病気を抱えている人、介護の必要な人を支えていくシステムです。

 

 

前回の記事にもありましたように、認知症に対しては正しい知識と、対応方法を知っていなければ、介護者が対応に困ってしまうことや、本人の症状を重くしたりしてしまうことがあります。

人は知らないものや経験したことがないことに対して不安を感じるものです。2025年以降、4人に1人が認知症になる時代といわれており、誰もが認知症の知識が必要となります。

 

 

どうやったら認知症サポーターになれるの?

認知症サポーター養成講座は、地域住民、金融機関やスーパーマーケットの従業員、小中、高校の生徒など様々な方が受講できます。

 

講座は1回90分で受講すると、「オレンジリング」という目印をもらえます。

平成17年度から始まった事業で現在のサポーター数はこのくらいになりました。

認知症サポーター数 合計 9,066,685

(うちキャラバン・メイト数 139,637人)[平成29年 6月30日]

すごい数ですね!

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私の母も、町内の婦人会で講習を受けて、オレンジリングを持っていました。

意外にいろんな所で行っているようです。

 

 

前回書いたように、

正しい知識や理解が認知症には欠かせません。このような活動を応援していきたいです。

 

ご興味がある方は是非、市町村のホームページ、広報誌などをチェックしてみてください。また企業や団体で依頼することもできます。上記の認知症サポーターキャラバンのホームページをご覧ください。

 

また、小学生に向けての認知症サポーターの講習も力を入れているようです。

 

私は、小学生などの地域の力が地域包括ケアに必要なボランティアの部分になると考えます。
小学生は基本的に単独で地域(小学校校区)から出かけることはありません。家の近所の高齢者との関わりを持ち、もしも、近所の高齢者が認知症になってしまった時、馴染みの小学生が少しだけ、ゴミ出しを手伝ってくれる。安否確認をしてくれるなどの支援ができるのではないかと思います。これは認知症に限ったことではなく、病気で療養が必要になった場合でも、家族や親族の支援が受けにくい高齢者独居や高齢者夫婦などの生活も支えていけるのではないかと思っています。

核家族が多い現代では、祖父母や曽祖父曽祖母と生活する機会は殆どありません。高齢者と関わりがほとんどないので、お年寄りに対する理解やイメージが乏しいと思います。

このような環境で育った子供たちがいざ介護士や看護師になったとしても、頭ではわかっていても感覚的に理解することが難しく、振る舞いや対応に困ることがるのではないでしょうか?このようなことが極力少なくなるように、小学生、未就学児の時点で高齢者との関わりを持つ機会を作っていければと思います。

 

 

 

 

~どうか介護、自宅療養のことで悩まないで~

介護のこと、自宅療養のこと、病院の看護師さんとの関わりで困ったこと・・・私で答えられることは何でもお返事したいと思います。コメントお待ちしています。