【介護離職】介護のために仕事を辞めることが問題になっています。仕事を辞めないで、背負わないで介護をしてほしい。
前回、家族の介護を考えてみて、やはり仕事とか、育児や旦那の世話などとの両立が親の介護を行う上でどうして問題となると思いました。
そこで今回は、介護と仕事の両立のために利用したい制度とまた利用を考える上で必要なことをお伝えしたいと思います。
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介護離職
介護離職という言葉をご存知ですか?
介護離職とは、家族の介護を行うために、現在行っているお仕事を退職してしまうことです。
なんと日本での介護離職者は、年間約10万人といわれています。
しかもその退職してしまう方は両親の介護のために止めることが多く、概ね40代50代の方で、会社にとっても大切な人材を失うことになります。社会全体としても問題になるわけです。
離職することで収入が減るといったデメリットもありますが、どちらかというと社会との繋がりがなくなり孤立することの方が問題かもしれません。
利用できる制度とは
厚生労働省も介護離職をなくそうとしている
厚生労働省では「介護離職ゼロ」を目標に掲げ、支援に向けた法改正などをおこなっています。
また、企業によってはテレワークや在宅勤務を認めるなど、企業側が介護の支援制度を用意しているところがほとんどです。
育児・介護休業法を活用しよう
介護休業
労働者は、申し出ることにより、対象家族1人につき 通算 93 日まで、3回 を上限として、 介護休業を取得することができます。
約3ヶ月は介護を理由に仕事を休んでも法律が守ってくれます。また、雇用保険を利用してお給料の67%はもらえます。
介護休暇
対象家族が 1人であれば 年に5日まで、2 人以上であれば年に10 日まで半日単位で取得できます。
介護給付金
正社員、パートの方でも雇用保険に入っている人なら、介護休業時に介護休業給付金が支払われます。介護休業開始時の賃金月額の 67 % が、介護休業開始日から最長 3 か月間支給されます。
これは法律が認めている制度で、就業規則に記載されていなくでも申し出ることで利用できます。
また、介護状態とは介護保険で要介護認定を受けているか受けていないかは関係なく、二週間以上の常時介護を必要としている状態を示しています。
申し出をすることで取得できるのであらかじめ職場に相談する必要があります。
事業主も協力しなくてはなりません。
法定時間外労働の制限
1短時間勤務制度、
2フレックスタイム制度、
3時差出勤制度、
4介護サービスの費用助成
いずれかの措置について、介護休業とは 別に利用開始から3年間で2回以 の利用が可能な措置を講じなければなりません。
所定外労働の禁止
要介護状態にある対象家族を介護する労働者は、所定外労働の免除を請求することができます。1回の請求につき1月以上1年以内の期間で請求できます。介護終了までの必要なときに利用することが 可能です。
勤務時間や勤務地の配慮について
要介護状態にある対象家族を介護する労働者が希望した場合、事業主は短時間勤務制度やフレックス制度などの措置、深夜(午後 10時から午前5時まで)労働の免除を講じなければなりません。
また、事業主には転勤によって労働者の介護が困難になることがないように、配慮が求められています。
不利益取扱いの禁止
事業主は、上記の制度の申出や取得を理由として、降格や解雇などの不利益な取扱いをしてはいけません。
このように法律でも介護離職をさせないための策を講じているわけですが、実際に仕事との両立を目指している人は多くないのが現状です。
平成24年の総務省「就業構造基本調査」によると
介護をしている雇用者のうち介護休業を取得した人の割合をみるとたったの3.2%で、
ほとんどの人が利用していません。
制度を知らなかったという方が32.6%と多いので周知することも求められますね。
他にも給料が減ってしまうことや自分の仕事を任せることができる人がいないなどの意見があります。
介護が必要な家族がいることを職場に相談していない人もいると思いますが、中にはケアマネージャーさんにも相談していないケースもあるそうです。
(絶対、信頼できるケアマネージャさんを探して欲しいです。)
まず、「仕事を続けながら楽に介護をしていきたい!」
と大声でケアマネージャーさんに言いましょう。
自分の家族のことを他人に任せるのが不安だと感じたり、
親の面倒は自分で見ないといけないと思い込んでいることもあります。
また、本人が家族以外の介護を望まないということもあると思います。
それぞれの考えや思いがあるので、それを否定するわけではありません。
しかし、何事も自分で抱えて苦しくなることで突破口が見えないこともあるでしょう。ぜひ身近な家族や友人に話してみてください。
私がオススメしたいのは、
信頼できてなんでも話せるケアマネージャーさんを見つけて欲しいということです。
以前の記事の中で御用聞きのケアマネージャさんではダメということを話していますが、これは家族の言いなりになってはいけないということではありません。
きちんと介護サービスを利用するときは必要を見極めることが必要ということです。
でも本人や家族の思いを引き出せるかどうかが信頼に繋がると思っています。
他にも、
介護はどのくらい続くかわからないので、制度を利用しにくいという意見もあります。
確かにこの状態がいつまで続くのかはわかりませんね。
急に病状が悪くなって看取りになるケースもあれば、
5年10年と寝たきりに近い状態で過ごすこともあります。
認知症に関しては、症状を遅らせるための治療薬はありますが、
徐々に進行し、他の病気が併発して一気に介護状態になる場合もあれば、
健康体で認知症の症状が続いて徐々に老衰の経過をたどることもあります。
これに関しても、医師や看護師に病状を確認し、備えることしかできません。
病状に合わせていつ介護休業を利用して、時間を介護に使うのか考える必要があります。
その点でもケアマネージャーさんに相談して、
必要な介護サービスと介護休業の利用をどうするか決めていくのがいいと思います。
まとめ
・育児・介護休業法を利用して介護と仕事の両立を目指して欲しいです。厚生省もそれを目指しています。
・離職の前にきちんと会社とケアマネージャーさんに相談しましょう。
・信頼できるケアマネージャーさんが仕事か介護の両立が可能かどうか一緒に考えていきます。