自宅のベッドで最期を過ごしたい! 病気があっても家で暮らしたい!在宅療養・介護のはなし

介護保険制度を利用し病気を抱えながらもご自宅で生活されている方も多くなっています。「最期は自宅のベッドで愛する人に囲まれながら逝きたい」をどうやったら実現できるか、ケアマネージャーとして訪問看護師として考えていきます。

【訪問看護】訪問看護ってどんなサービス?訪問バッグの中身を公開します!

 10月入職なので、私の訪問看護経験も5年目に突入しました。今までたくさんのことを学ばせていただきました。たくさんの患者さんのご自宅やグループホームにも行かせてもらいました。

 

今日は今までの体験を通じての私の相棒、「訪問バッグ」を公開したいと思います。

 

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい

訪問看護師 ケアマネージャーの西山です!

 

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ー目次ー

 

訪問看護の必需品

 

訪問看護では訪問看護ステーションから直接患者さんのご自宅へお伺いしています。
その時に持っていくのは訪問バッグです。
ほとんどこのバッグ1つで出かけます。

 

意外に身軽です。

 

初めからネタバラシ。

すごいものはちっとも入っていません。

 

具体的には

 

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・体温計

・血圧計

・パルスオキシメーター
(動脈血にどのくらい酸素がきちんと含まれているかを測ることで、内呼吸がきちんとできてるかを見ています)

・聴診器

・アルコール綿

・筆記用具

・マジック

・記録用紙

スマホ

タブレットiPad)

・テープ類(2、3種類)

・ディスポ手袋

・ビニールエプロン

・手指消毒用アルコール

・体操のパンフレット

・痛みスケール表

・爪切り、ニッパー

・点滴セット一式(点滴の管の部分)

・口腔ケア用のブラシ

・ガーゼ

・ビニール袋(大・小)

・タオル

 

これだけです。

 

 

 

ね、大それたものは入っていませんでしょ。

 

病状の観察

 

訪問看護で一番大事にしているケアで、体調、病気の状態の確認があります。

前回から今日までの体調の変化を伺いながら、現在の身体の状況を確認していきます。その時に体温計や血圧計、パルスオキシメーター、聴診器を使います。

 

血圧計や体温計など数値からも判断することは大きいですが、聴診器を当てて聞き取れる情報もとても大切にしています。

 

看護師は胸に聴診器を当てて呼吸の音、心臓の音を確認しています。

 

呼吸音に関して、ただ雑音があるというだけではなく、数種類ある雑音を聞き分けています。どこの部位でどんな雑音があるから、今の呼吸の状態に苦痛があるのか、きちんと酸素が全身に届いているのかなどと合わせて判断しています。

心雑音に関しても、特に小児などでは心臓の奇形があるような子供に対して、きちんと聞き分けないといけない雑音があります。

 

 

 

清潔ケア

 

高齢者では、だんだん老化とともに目が見えにくくなったり細かい

作業ができなくなったりしますので、爪切りを行うことが多いです。
足の爪などは爪白癬などで爪が硬く厚く変形している人も多いので、ニッパーも大活躍です。寝たきりの患者さんは歩かないので足の爪が伸びるのがびっくりするほど早いですね。

また糖尿病の患者さんはつま先の血行障害などが起きやすく、感染症にもかかりやすいので、足浴をしてつま先のケアをすることも多いです。

ビニールエプロンは感染予防のため、オムツ交換や傷の処置の時に使います。他にも、入浴介助の時は濡れないようにカバーするためにも使用します。

ズボンをまくってビニールエプロンをつけて一緒に浴室で介助します。

 

 

 

タブレットスマホ

 

最近は電子カルテの導入やテレビ電話が簡単にできるようになり、必要時は画像を他のスタッフに診てもらったり、医師に直接相談します。現在の訪問看護ステーションでは患者さんの情報もタブレットの中に入っていますのでカルテがなくても情報の共有が簡単にできるように工夫しています。

また、よく写真を撮らせてもらったりしています。傷や褥瘡(じょくそう)だけでなく、時々は療養環境やご本人の様子も記録しています。誕生日などの記念日にご家族の写真を撮ってプレゼントもしています。

 

 

ビニール袋

 

ゴミを入れるだけではなくて、実は使えるのがビニール袋です。

45Lや60Lの大きなゴミ袋はオムツ交換や洗浄を行う時にベッドを汚さないためにベッドと患者さんの間に敷いたりしています。

 失敗があるので分かるのですが、オムツ交換や洗浄で間違ってシーツまで汚してしまうことがたまにあります。もし、シーツまで汚してしまうと大変です。一気にシーツ交換、着替えまで必要になってしまいますので、汚さないように一工夫が大事です。

私たち介助者も大変ですが、患者さん本人にも負担をかけてしまいます。

 またベッドの上で、患者さんの体を動かす時にも使えます。

肩からお尻にところにビニール袋を敷いて、体をベッドの上下に動かすとスルスルっと動かせるので、介護者にも優しいですし、本人もずるっと引っ張られないので痛くなったりしないので楽です。特に褥瘡などがお尻にある方にはとてもいいです。お試しください。

 

 

 

まとめ

 

といった感じで、訪問バッグには機能的で必要最低限のものが入っています。

身軽に動けていますので、困ったことがあれば、訪問看護は24時間加算をいただいている患者さんにはいつでも急いで訪問できます。

 

 

 

 

~どうか介護、在宅療養のことで悩まないで~

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