自宅のベッドで最期を過ごしたい! 病気があっても家で暮らしたい!在宅療養・介護のはなし

介護保険制度を利用し病気を抱えながらもご自宅で生活されている方も多くなっています。「最期は自宅のベッドで愛する人に囲まれながら逝きたい」をどうやったら実現できるか、ケアマネージャーとして訪問看護師として考えていきます。

【勉強会レポート】在宅(施設・自宅)看取りセミナー2017年9月16日メディケアアカデミー②

【勉強会レポート】②


今回もメディケア・アカデミーのセミナーの続きです。

 

 テーマは在宅(施設・自宅)看取りセミナー」ということでした。

 

まさに私が普段考えている内容とマッチしていて、興味津々。
心あたたかな笹岡大史先生が代表のメディケア・アカデミー。

 

メディケア・アカデミーさんの活動はこちら

https://www.facebook.com/medicareacademy/



こんにちは

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい
訪問看護師、ケアマネージャーの西山です!

ー目次ー

 

 

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写真:近藤浩紀

 

PPK(ピンピンころり)とNNK(ねんねんころり)

 

 3人目の登壇は株式会社エイジング・サポートの小川利久さんです。

(写真:右から3人目)

特別養護老人ホームの施設長していた 小川さんですが、施設での看取りを一生懸命され、特別養護老人ホームの看取り加算をいち早く取り入れ経営までも改善する敏腕元施設長さんです。

 

PPK(ピンピンころり)とは、みんなが憧れる、最後までピンピンとしていてコロリと亡くなること。

ではNNK(ねんねんころり)とは?

長期の介護が必要になって亡くなること。

 

 

 みんなPPKを望んでいるけど、実際そうもいかない方もいます。実際、特別養護老人ホームは要介護3以上の方がいる施設で、特に介護の状態が重い人が入居している施設です。

 施設とはいえ、現在の考え方としては介護保険施設は在宅、地域という考え方をしています。前にも話したと思いますが、今後は高齢者が増え、たくさんの人が亡くなっていきますので、望んでも病院で亡くなることが難しくなる時代と言われています。

ですので、施設での看取りがとても重要な役割を担っているのです。

 

では、その施設はきちんと看取りができていますか?

 

 例えば、

Q.   看取りを希望している人が、デイサービスで息が止まってしまった時、看取りのケアは??

 

A. 救急車を呼ばないで、家(施設)に連れて帰る。主治医の先生に来てもらって死亡診断をしてもらう。

 

 

でも、

Q.  

死んでるのに救急車を呼ばないことに対してどう他の利用者に話すのか?

 

A. きちんとした説明をする。望んでいた死に方だったと話す。

 (あっているかな?)

 

 

 ドキッとする問題提起でした。

 

 施設で看取りをするためには、本人の希望も第一ですが、十分な病状の説明を行い、施設での看取りの同意を交わす必要があります。そして、看取りのケアプランを立てます。これをしていないと、もしも、施設内で死んでしまった時に、変死という扱いになってしまい、警察を呼んで、検死を行わなくてはなりません。(医師法第21条)

 

何も悪いことしてないのに、大往生なのに、検死になんてなったら、こんな最期、悲しすぎます。

 

命を終えるサポートをするために介護職員への死生観教育やまた、家族への教育が必要だあるということです。この職員、家族への教育という部分では4人目の登壇でも徹底的にお話しされていました。

 

 

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「死のためのケアはしなくていい。生き切る援助をする。」

4人目の登壇は、生活を支える看護師の会 小林悦子さんです。(写真:右から2人目)

小林さんの話が、とにかく引き込まれるというか、ペースにはまっていくというか、

聞いていて、前のめりになってしまうような語り方でとても楽しかったです。

 

 

 まだまだ、看取りに対して怖いと思っている介護士や看護師が多いのが現状の中、でも「これでいい」と励まされ、少しずつ成長しながら看取ることができるようになるそうです。

 

 

 

 

例えば… 

「死が迫っており、足のむくみがすごい、呼吸が苦しそう。食事はほとんど取れていない。意識がはっきりしていない。話がもうできない…。」

 

このような状況で本人からは希望を伺うことができない時、家族や介護士は病院の方がいいのではないか、楽なんじゃないかと思ってしまう。

 

しかし、本人がご自宅、施設を望んでいたなら、これでいいんだと、支えてくれる人が必要です。

 

 

ですので、 家族や、介護士さんが安心して看取れるための知識が必要です。

 

家族が後悔しないように支援をするために家族をまきこむことが必要だとお話していました。また、小林さんは介護士さんの指導もですが、徹底的に家族にも老いの状況や看取ることに対して勉強会をしているそうです。

 

飲み込む力が、老化とともに弱くなり、
気道の方に食べ物や飲み物、痰などが入ってしまうことがあります。・・・(誤嚥:ごえんと言います。)

この誤嚥に関しても家族へ映像とともに勉強会をしているそうです。

 

 

 

そして、とある施設での亡くなった後のお別れ会の様子も動画で見せていただきました。

 

 病院で死亡して帰るときは裏口から帰ります。

しかし特別養護老人ホームは表玄関から見送っていました。施設の職員、それから同じ入所者の方もお見送りされます。家族もいいお顔でありがとうございましたの挨拶をされていました。

施設ではスタッフが介護を担当し、家族は家族の役割を全うできます。

ですから、これから施設は第2のご自宅のようなもので、看取りにも力を入れていくそうです。

 

 

選択と覚悟は本人、家族にある。

「看取りの覚悟」が生活を豊かにできます。
楽しく、好きなことをして暮らしていけるます。

とあるおじいさんは、ビールが大好きでした。亡くなる2日前ですが、本人は飲めませんでしたが、施設スタッフ、ご家族でビールで乾杯しパーティをしている様子を見せていただきました。
これも、看取る覚悟ができているので、思いっきり好きなことができるのです。

まさ、生き切るという表現がとても響きました。

 

 

まとめ

・心のこもったケアをしよう。ここがないと人は救えない。

・本当の最期の最後までを幸せに過ごすために、就活、エンディングノートを活用しよう。今の私でもいいのでエンディングノートを一度書いてみる。

・施設での看取りには同意とケアプランが必要。

・家族、介護士の看取りへの教育が非常に大切。

・覚悟と選択は本人と家族にある。

・最後まで、その覚悟を支えていく。

 

 普段、死について考えたりしませんが、確かに、もしかしたら明日死ぬかもしれないと思ったら、自分がどんなふうに死にたいか、考えておくことはとてもいいと思いました。できたら買いに書いてあるとなおいいと思います。(エンディングノート)そして、看護師として、看取りに対してのご本人、家族の覚悟と選択を一生懸命支えることが必要だと思いました。そのための、死に直面する前から看取りや延命治療のこと、老いに伴う機能低下などをもっともっとみんなに知ってもらうのが必要ではないかと思いました。

 

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懇親会での私と生活を支える看護師の会の小林悦子さん。