自宅のベッドで最期を過ごしたい! 病気があっても家で暮らしたい!在宅療養・介護のはなし

介護保険制度を利用し病気を抱えながらもご自宅で生活されている方も多くなっています。「最期は自宅のベッドで愛する人に囲まれながら逝きたい」をどうやったら実現できるか、ケアマネージャーとして訪問看護師として考えていきます。

【高齢化社会】2025年問題なんて言うけど、自分の親もあと5年もするとそうなるのだから人ごとではない。

高齢化社会

 

もはや、人ごとではない高齢化社会は始まっていて、自分の親もそうなりつつあるわけです。今回は、自分の親をどうやって介護していくか考えてみたいと思います。

 

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

 

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 高齢化社会とは

総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合を高齢化率という。世界保健機構(WHO)や国連の定義によると、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」という。日本は1970年に高齢化社会になり、1994年に高齢社会になった。2007年には21.5%となり、超高齢社会に入った。最新データである『平成23年高齢社会白書』によると、2010年10月時点の高齢化率は23.1%で、今後も日本の高齢化率は上昇傾向が続くとみられ、世界に注目されている。現在(最新2015年データ)の高齢化率は26.7%

                          超高齢社会 - gooヘルスケア

 

自分の親を介護する

 

 自分の親を介護するなんてことは、現在健康で、若々しい自分の両親を思うと、どうしても人ごとになってしまいます。

 

私の両親はもう70歳になりました。

 

 私の父は去年の夏に悪性リンパ腫と診断され、ステージⅣということで、命の危険もありました。

 

現在は抗がん剤治療も効果があり、腹腔内の腫瘍もなくなり、寛解ということでお墨付きをいただきました。

 

 抗がん剤を行なっていた時は、一日中横になっていることも多く、

貧血が強く、犬の散歩でも息切れがすごく、そんな様子を見ているのが辛かったです。

 

 

不思議なもので、看護師なのに、急に自分の家族となると尻込みして不安になったり、素人になります。

 

子供が生まれた時もそうでした。
熱が高くて不安になって夜間相談センターに電話してしまったことも何度もあります。
冷静に、看護師の頭で考えるとそこまで重症ではないし、様子を見るだけでいいわけでした。

 

ですので、

医療者の私でも不安になったり、わからなくなってしまうものですので、医療者でない方がそれを受け入れて前向きに対応できるなんてとても難しいことだと思います。

 

 

同居もしてない、近くに住んでいるわけでもない

 

 今、核家族化が進み、親と同居している世帯は本当に少ないと感じます。

訪問看護でお邪魔する患者さんも核家族、夫婦のだけの世帯がほとんどで、子供と同居している方は娘、息子が結婚していなくて両親と同居しているという家族構成が多いです。

しかし、同居しているから介護に関われるかというと、生活背景や仕事の内容などで、それぞれ違いますね。

 日中はヘルパーさんを利用しながら一人で過ごしている方もいます。

 

 

私の両親は車で2時間弱ほど離れたところに住んでいます。

 

何かあったらいくことは可能ですが、普段の生活の中で何か直接、介護に携わることは不可能ですね。

本当に、介護が終日必要になったら、同居するという選択肢を取るかもしれません。

そうした場合は今の仕事を辞めたり、介護休暇といった制度を利用して一時期休職することを選択するでしょう。

 

…現在の生活はそうしたらどうしたらいいのでしょうか。

 

子供や旦那のことをどうするのか?

私は、両親の元で生活して介護にあたり、子供たちは平日は学校もあるので、旦那に世話をお願いするとして、週末だけ戻ってくる。一週間分の料理の作り置きをしたり、溜まっている家事をする。

子供も連れて、同居してしまう。旦那は一人でもなんとかなる。など・・・

 

しかし、この介護状態がいつまで続くかにもよりますね。

 

 長期間にわたって介護が必要な状態なら、いつまでも同居しながら自分の家との往復を続けることはできないでしょう。

 

 また、完全に同居するとなると、生活そのものを変化させる必要もあり、新しい仕事や、子供たちの転校などものすごいストレスでしょう。

 

色々な選択をしなくてはいけません。

 

この時に、どんな課題があるのか、専門的な知識や病気の状態などアドバイスを受け、家族でどこをサポートするのか、病状から考えられることは何か、どんな経過が予測できるのか、などを相談することが大事ですね。

 

家族や親族だけで勝手に判断して、選択するにはストレスが大きすぎるので、注意したいです。

 

公的サービスの導入

 そこで、やはり、公的な介護保険サービスでサポートしてもらいながら、
必要なところで娘としての援助をしていくことが現実的でしょう。

 看取りなどの場面では、やはり家族の絆だったり、人生の最後をどう過ごすのか、誰にそばにいて欲しいのか、家族や親しい人との時間をどう過ごしたいのか、本人の思いを大切にしたいと思うので、家族としての関わりを重点的にしていく必要がありますね。

 

 ケアマネージャーさんはこういった場面で、同居していない家族をどうやって介護に巻き込むのか、手腕を問われます。中には家族が外国に住んでいるということもあり、連絡方法も、メールだったり最近ではLINEだったりします。

 

しかし、いろんな形がありますから、複雑だったり、仲が悪かったり、様々な家族関係で巻き込めないということもあります。

本人と相談し、どの家族に支援してもらいたいか、また相談したいかなど丁寧にお話しします。中には、病気がきっかけで、こじれていた親子関係を修復できるといった場面も聞いたことがあります。

 

いずれにしても、ケアマネージャーさんを中心にケアプランをたてる際は、同居していない、しかも近くに住んでいない家族にどんな支援をしてもらうかを織り交ぜて計画したいものです。もちろん、同居している家族、また、近くに住んでいる家族も含め、公的サービスだけでなく、家族にも負担がなく、快適に療養生活が送れるための24時間を考える必要あります。

 

まとめ

・2025年問題はもう自分の親を介護するとかもしれない、すぐそこの話です。

・同居家族のいない、独居や老夫婦の介護を考えるとき、家族関係に合わせ支援の仕方を織り交ぜて計画を立てる必要がある。

・LINEやメールを使った家族とのやりとりも行なっている。

・ケアマネージャーさんは同居していない家族を介護に巻き込む際は、家族関係や本人の意向にしっかり耳を傾け、支援の方法を考える必要がある。