自宅のベッドで最期を過ごしたい! 病気があっても家で暮らしたい!在宅療養・介護のはなし

介護保険制度を利用し病気を抱えながらもご自宅で生活されている方も多くなっています。「最期は自宅のベッドで愛する人に囲まれながら逝きたい」をどうやったら実現できるか、ケアマネージャーとして訪問看護師として考えていきます。

【介護保険 体験談】病状は進行してるが、介護保険の認定結果が要介護1から要支援1に変更になってしまった時。

介護保険

 

前回の続きです。

要介護認定を受けたAさんですが、結果が要介護1から要支援1へ変更になってしまいました。ご本人は抗がん剤の副作用などつらい思いをされていますが・・・。

詳しくはこちらをもあわせてよんでください。

 

ienikaerou.hatenablog.com

 

                             

病気があっても自宅に帰りたい!

家で最期を過ごしたい!

退院したい!と思っている患者さまを1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

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介護保険サービスについて書こうと思います。認定調査を受け、要介護状態であることが介護保険サービスを利用できる前提になります。

 

今回、A子さんは要介護1から要支援1になったことで困ったことがありました。

どんなことで困ったかお話ししていきます。

 

要介護1から要支援1へ。区分が下がったことに対して思うこと

介護認定調査から10日ほどすると、認定結果が返ってきました。

 

要介護1から要支援1へと変更になりました。

 

本来は介護度が下がったということが自分でできることが増えて、自立しているということですので、喜ばしいのですが…

 

福祉用具は介護度の違いでレンタルできるものが違います。

 

実は、要介護1、要支援2,1では電動ベッドは借りることができません。

 

福祉用具貸与サービスでは介護区分により借りられるものが決まっています。

借りられないものがあるなんて、びっくりしませんか?

 

 

 

要支援1・2、要介護1の方は原則的に下記の福祉用具はレンタルできません。

  1. 車いすおよび車いす付属品
  2. 特殊寝台(介護ベッド)および特殊寝台付属品(電動ベッドと手すりなど)
  3. 床ずれ防止用具および体位変換器(エアーマットや低反発で床ずれ予防のマットレス)
  4. 認知症老人徘徊感知器
  5. 移動用リフト(ベッドから車いすなど移動させるときに使う器械で抱きかかえなくても移動できるので介護負担が軽減します)

 

要支援1・2、要介護1・2・3の方は原則的に下記の福祉用具はレンタルできません。

  1. 自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引する機能のものを除く)
これは、センサーのついたカップを陰部に装着し、排泄があった場合、センサーが感知して排泄物を吸引し、洗浄乾燥してくれる器械です。おむつ替えの介護を軽減します。

 

ただし、利用者の身体状況等から対象外の福祉用具のレンタルが必要な場合、必要な書類をそろえ、提出することで使用することができます。

 

これは、福祉用具を利用してご本人がより自立した生活が送れようになるという目的が含まれています。ですので歩くより車いすの方が楽だからという理由では福祉用具は利用できません。

 

要介護1のA子さんは、下記の理由で
例外給付を利用し電動ベッドを利用していました。

 

理由は 

①体力の低下で自分で起き上がることができない。

人工肛門の交換などの際に角度を調整した背もたれを利用し、自分で貼りなおすことが必要

③腹部の安静を保ちたい

という理由からです。

 

医師と福祉用具の事業所に必要な理由を書いた文章を依頼します。それを提出して認められると利用することができます。(例外給付という制度)

 

今回も例外給付として電動ベッドの準備をすることにしました。

 

要介護と要支援では扱うところが違う

要介護ではケアマネージャーさんに依頼してケアプランを作成してもらうことができます。

要支援では、地域包括支援センターが担当になり、ケアプランを立てます。

 

要支援のすべてが地域包括支援センターに行くわけでありません。地域のケアマネージャーが受けることもできます。(委託する)

 

A子さんの場合は、病気のために娘さんのところに居候していたので、

本来は住民票がある市町村でサービスを受ける必要があり、要支援となったので、住所がある地域支援センターが担当になります。

そのために遠方とのやり取りが必要でした。

 

どうしてそこまでこだわるのか?

ではどうしてそこまで要介護度にこだわったのか?

 

A子さんは、病状の進行もあり、抗がん剤の副作用など、かなり体力的にもきつい状況でした。

 

末期のがん患者さんの多くは、病状は進行していても自分のことは自分でできる期間は長く、急に体調が変化し介護が必要な状態になる経過をたどることが多いです。

 

ベッドも、必要な時に利用できないと意味がありません。痛みや息苦しさがあるときに電動ベッドが役に立ちます。

ほかにも車いすがあれば、外出ができたり、少しでも有意義な時間を過ごすことができるかもしれません。

 

今までできていた調理や家事なども、ヘルパーを利用して支援することができます。

使いたいときに使いたいサービスが受けられることが大切だと思います。

 

 

A子さんは住所のある地域包括支援センターへ相談して、新しい介護保険証書に書いてある有効期限の開始日を待って、再び区分変更申請を行いました。

 

認定結果に異議申し立てということもできますが、時間がかかること多く、意味がありません。

 

住所のある地域包括支援センターに状況を説明し、認定調査の負担は有りましたが認定調査を受けなおしていただきました。

 

結果は要介護1となりました。サービスも変更せずに継続することができました。

 

まとめ

・介護度によって借りることができない福祉用具がある。

・要支援は地域包括支援センターが担当になる。

・ガン末期の方に対しては、先を意識したケアプランがたてられるように準備していきたい。

 

では。

 

 ~どうか介護、自宅療養のことで悩まないで~

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