自宅のベッドで最期を過ごしたい! 病気があっても家で暮らしたい!在宅療養・介護のはなし

介護保険制度を利用し病気を抱えながらもご自宅で生活されている方も多くなっています。「最期は自宅のベッドで愛する人に囲まれながら逝きたい」をどうやったら実現できるか、ケアマネージャーとして訪問看護師として考えていきます。

【体験談】訪問看護で出会った肺がんの患者様の外泊一時支援を通して

訪問看護

病気があっても自宅に帰りたい!

退院したい!と思っている患者様を1日でも早く、

ご自宅で安心して過ごせるようにしたい訪問看護師、ケアマネージャーです!

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現場ではさまざまな経験をさせていただいております。

 

自宅に帰ってきたのは・・・もう長くないってこと?

 

訪問看護では定期的にご自宅にお邪魔してケアをすることもあれば、

一時的にご自宅に帰宅する際に支援するという形があります。

 

私が担当した男性の方は、入院して検査をいろいろして、治療もしてみたけど効果がないみたいと言われたと、おっしゃっていました。

症状があったがかぜなどと言われ、様子を見ていましたが、とうとう苦しくなり入院したそうです。

肺がんでした。

そして、入院も長くなったら一度外泊をして様子を見て退院したらどうかという医師の提案でご自宅に一泊の外泊をすることになりました。

 久しぶりのご自宅。恐る恐る帰ってきましたが、家のソファーに座るなり、大きく息を吐きました。

 私が「久々のおうちはいかがですか?」とたずねると、「どうもこうも、家に帰そうなんてもう長くないってことだろう。」と不安を先におっしゃいました。

「そんな風に思っているんですね。」・・・

「はじめは風邪って言われてた。でもなんかおかしくて・・・そしたら急に苦しくなって・・」と自分の経緯をしっかりとお話しされました。

 私は思いを十分聞いた後、「久々の我が家。ゆっくりしてくださいね。何かしたいことってありますか?」と尋ねました。

「特にないね。」と庭に目をやりました。りっぱなお庭と少し高台のおうちからは市街地が見えます。

男性は酸素をつけていましたので、やりたいことの動線と安全を確保しなくてはなりません。

家の中の動きを確認し、酸素の使い方を説明しました。

男性は「ゆっくりしてみる」と話して、私は退室しました。

訪問はこの1時間半ほどです。翌日の病院へ戻るまでのすべての不安を解消しなければなりません。なので、外泊支援はとても緊張する仕事です。

 

 男性は無事に自宅で過ごし、病院へ戻られたそうです。

病院の看護師より、家でも不安なくすごせたこと、

奥さんがしっかりしていたことも含め、

丁寧な説明で安心しましたとご報告を受けました。

これは私にとっても患者さんにとってもよかったことです。

のちに、この男性はとても経過が早かったのですが、自宅で家族に見守られ旅立たれました。

 この外泊での経験が家族の在宅看取りへのきっかけにもなったと思います。

経験してみないことにはわからないことがありますね。

そんな小さな経験も、サポートしていければと思います。

 

 

 ~どうか、一人で悩まずに相談してください~

 

退院したいけど言い出せない、不安がある、介護の悩みや困っているなど、

コメントへ入れていただければ、お答えします。

私でお答えできることはなんでもお返事していきたいと思っています。

どうぞ、気軽にコメントをお待ちしています。

 

 

では。